芝浦工業大学名誉教授 三浦昌生の「講義日記」

授業が終わったら日記を書く。題して「講義日記」。大学での授業回数は通算1998回まで到達。教壇に立つ大学教師の気持ちが伝われば‥‥。

講義の中に就活に役立つ情報がある

第1576回  「授業で学んだことは就活や仕事に必ず役に立つ」

環境工学Ⅰ 2012年7月2日

授業の始めに住宅メーカーの新聞広告のコピーを配った。
このような一般向けの広告でさえ、この科目で教えている
熱貫流率や熱損失係数などの数値を
住宅の性能として記載していることを見せて、
この講義で取り上げる専門用語の大切さについて話した。

三浦研で総合研究に取り組んで今年3月に卒業した
細井雄太君はこの新聞広告の住宅メーカーに就職した。
彼からしゃもじ(広島カープの応援グッズ)の形のはがきが届いた。
就職の挨拶に添えて「環境工学が住宅の説明や建築士の勉強に
とても役立っている」と書いていた。
そこで、このはがきも書画カメラで見せた。

現在、三浦研究室で総合研究に取り組んでいる4年生の
青木政幸君は、会社の面接の終了間際に、
「low-eガラスを知っているか」という質問に答えられたことが
内定の決め手になったと思うと言っていた。
彼は面接の前日に教科書を読み直していたのだ。

学生に贈る今日のメッセージは
「授業で学んだことは就活や仕事に必ず役に立つ」ということ。
このことは前のブログでも書いたが、何度でも言いたい。
単位をとることだけが授業の目的ではありません!

第1528回 「講義の中に就活に役立つ情報がある」

環境工学Ⅱ 2011年11月22日

騒音防止の講義の第2週目。
最初に、今日の講義で進む範囲を伝えて講義への姿勢づくり。
特に、壁の遮音性能を数値で示す「透過損失」は、
今日の講義で最も重要な用語だ。

マンションの設計・販売・管理の仕事ではこの用語をよく使う。
そのとき、透過損失の定義と計算方法を知っていると武器になる。
就活の面接で、透過損失という言葉を使って質問に答えられたら、
専門の勉強をしっかりやってきたことをアピールできる。
講義の中に就活に役立つ情報があるのだ。

透過損失の計算式は教科書に載っている。
でも、それを見ただけでは頭に入らない。
そこで、教科書の数式の変形プロセスを板書しながら説明した。
教師は手書きで板書しているから学生にも写しやすいスピードだ。
だから、学生も変形方法を納得しながらノートに写せる。

最後に、「透過損失」と聞いたら、
質量則→コインシデンス効果→共鳴透過
の順に思い出せと伝えた。

教科書をなぞるだけなら、学生が自分で教科書を読めばいい。
重要単語を知り、それがどう役立つかを理解し、
式の変形を手で書いて納得し、用語の連想順を覚える。
これだけのことができるようになるから、
やっぱり教室で講義を受けること自体に価値がある!
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