芝浦工業大学名誉教授 三浦昌生の「講義日記」

授業が終わったら日記を書く。題して「講義日記」。大学での授業回数は通算1998回まで到達。教壇に立つ大学教師の気持ちが伝われば‥‥。

2011年06月

第1493回 「講義収録映像の感想を聞いてみた」

環境工学Ⅰ 2011年6月20日

教科書の第2章の続きを解説したあと、第2回小テストを実施した。
その中で、この講義の収録映像の感想を聞いてみた。

まず、講義でわからなかった部分を復習できるという意見。
「授業を1回聞いただけではわかりにくかったところを何度も見られる」
「講義で聞き逃してしまったところをもう一度みられる」
チャプターに関する意見もあった。
「章立てがあって、わかりやすかった」
「映像を項目ごとに見られるのもとても便利」
これはe-ラボの中澤さんのおかげだ。

「声がとても聞き取りやすかった」と書いた学生もいる。
収録映像では音声のクオリティも重要だ。
それらが相乗効果となって
「講義の収録映像を見て、内容の復習をすることができた」
「授業の振り返り時やテスト勉強の際に役立った」
という意見につながる。

改善の要望もあった。
「右下に映っているスクリーンの文字や色がわかりにくい」
「スクリーンを先生が指しているとき、どこを指しているのかわからない」
教卓の設定で右下のスクリーンの大きさを変えられる。
来週は大きめのスクリーンになるよう設定を変更してみよう。
「カメラがたくさん動くので、目が疲れる」
というカメラの追尾しすぎも改善の余地ありだ。

ある学生は「自宅に帰ってS*gsotにアクセスしても講義の収録映像を見ることが
できなかったので、自宅でも見られるようになればよいと思った」と書いている。
収録映像の改善はここのところ滞ってしまっている。
e-ラボと協力して皆さんの声を生かします!

「講義日記」の感想を教室で書いてもらった。

5月23日の第1回小テストで、この「講義日記」の感想を書いてもらった。

一番多かったのは自分たちが先生からどう見えているのかがわかったというコメント。
「自分ら学生がどう見られているか分かり、おもしろいです」
「先生がどういう気持ちで講義しているかを知ることができた」
「私たちが先生にどう見えているのかが分かり、とても新鮮でした」
「話をしている側の考えが見られておもしろいと思いました」

こういうコメントを読むと、学生にこちらの気持ちを伝えることの大切さがよくわかる。
それが、授業への意欲を高めることにつながる。
「先生目線での講義風景が感じられ、『次はこうやって受けてみよう』という
参考になります」
「毎回読んだ後にやる気が出ます」
「講義が楽しくなった」
「授業に対してのモチベーションが上がった」
と多くの学生が書いてくれた。

ここのところ、教卓に質問にきた学生のことを書いている。
「授業後に質問したら、その事が記事に載っていて、なんとなく嬉しかったです」
と書いた学生もいた。

ある学生は「一年生の頃に大学のホームページから三浦研のホームページに
アクセスして、その時から講義日記を書いていたことを知っていたし、読んでいた」
と書いている。
このような熱心な学生がいると思うと、本当にうれしい。

いつもの読者はご存じのとおり、毎週の講義日記は「!」で終わる
「ブログの更新、がんばってください!!!!!!」というエールもあった。
思わず「!」の数をかぞえてしまった。
「!」6個、頂きました!

第1489回 「小テストが満点の学生に拍手が起きた」

環境工学Ⅰ 2011年6月6日

第1回小テストの高得点者を発表した。
昨年度の発表方法を少し変えてみた。
テストの素点(今回は66点満点)ではなく、素点を満点で割った比率を発表した。
その方が何割くらいできたのかがわかりやすい。
それから高得点者を学籍番号順ではなく高得点順に80%までを成績順に発表した。

満点をとった学生が一人。一番に名前を読み上げたらクラス全体から拍手が起きた。
正確な知識を試すやや難易度の高い問題で満点をとったのは、
出題者から見てもすごいと思う。

授業を始める前に「弱」で冷房をつけた。すると、すぐに学生から寒いと申告があった。
それで、冷房を止め、窓を開けて授業を始めた。
学生は顔を上げて熱心に授業に取り組んでいる。
途中、次第に室温が上がり始めたので、1時間経過したところで冷房をつけた。
毎年、梅雨の蒸し暑い時期は冷房の設定が難しい。

授業が終わったあと、教卓のところに来て質問をする学生が目立って増えた。
どの質問も、グラフの読み方や現象の理解に関する良い質問ばかりだ。
授業を聴きながら、正確に図や文章を理解しようとしているのがよくわかる。
わからないことをそのままにすると次に進めなくなる。
質問すれば詳しい説明が聞けるし、何よりスッキリする。
教師が質問にどんな答え方をするかで、教師の考え方や人間性も伝わってくる。
学生からの質問で、教師も試されているのです!

第1487回 「なんといっても色鉛筆が一番いい」

環境工学Ⅰ 2011年5月30日

教科書の図を説明するときは、書画カメラを使ってスクリーンで見せている。
この方法のメリットは大きい。
学生が机の上の教科書だけを見ていると眠気が襲ってくるが、
顔を上げてスクリーンを見ていれば、それもない。
教える方も、スクリーンの横で指し棒を使って説明すれば講義のアクセントになる。

ただ、この方法にはひとつ難点がある。
授業をしながら書画カメラの台に載せた原稿に書き込みをすると、きれいに書けない。
線が乱れてわかりにくくなるのだ。
実際、2年前のこの週の講義でその方法を使ったら、線がよれよれになり、
しまいには何がなんだかわからなくなってしまった。
第1318回「線はよれよれ。図はぐじゃぐじゃ」(2009年6月1日)

今日の講義を準備していて、良い方法がひらめいた。
授業中に書き込みたいことを、あらかじめきれいに書き込んでおけばいいのだ。

さっそく実行した。
建物の日影が動いていく様子を示す日影図と等時間日影線の説明では、
コピーを2枚用意して、それぞれに8:30の日影と9:00の日影をぬりつぶした。
それを交互にみせれば、アニメーション感覚で日影の動きを理解できる。

そのとき、色をつけるのは、なんといっても色鉛筆が一番いい。
サインペンやマーカーは色がどぎついし、ペン先が太くて細かい部分を塗りにくい。
色鉛筆は色が柔らかく濃淡もつけやすい。先を尖らせれば細かいところも塗れる。

終了後に、学生が教卓に質問に来た。
「たくさん質問があります」と言うので、ひとつひとつ丹念に答えていった。
説明していて、授業中の解説で足りなかった点がよくわかる。
引き続き、質問待っています!


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